●PCセオリーのまえおき
この「PCのセオリー」で示すのは、筆者が一般的・平均的だと考える、六門2ndのプレイヤー側に立ったプレイ理論を――それも、主として戦闘に関わるものを中心に――紹介していきます。
ここで示すのは「筆者個人の考えた一般的・平均的」な考えですので、それが一般的・平均的な保障はどこにもないのです――というか、屁理屈の可能性も十二分にあります。
しかし、プレイ経験だけは豊富であるという自負がありますので、少なくとも未プレイの人や、プレイ経験の浅い人には参考にしていただけるのではないでしょうか。
慣れてきた人や、プレイ環境・GMや周囲のプレイヤーの違いによっては、ここで示すセオリーは通用しないかと思います。
また、セオリーを崩したところにある面白さというのも、六門2ndには確実に存在しています。
慣れたプレイヤーの方には、ここにある屁理屈を吹き飛ばす、画期的な理論を構築していただければと思います。
●最初のテーマ:パーティ編成(前編)
プレイヤーが自分のPCを考える際に、ロールプレイ的な嗜好や希望はさておき、ゲーム的に一番最初に考えることはなにでしょうか?
それは、このデッドリー(笑)な六門2ndのゲームバランスの中、自分のPCが生き延びることでしょう。
PCが再起不能になってしまったのでは、せっかくPCを作るために費やした労力が無に帰すわけですから、これはしごく当たり前のことだと思います。
では自分のPCが生き残るために最初に必要な条件はといいますと、PC同士でバランスの取れたパーティ編成を考えることです。
TRPGなんで、当然考慮するべき部分ですね――例えPC同士が敵対するようなTRPGであっても、ゲーム的な特性の中で、PC間の何らかのバランス調整は行われるはずです。
まず、プレイヤー全員で決めるべきことを挙げましょう。
〔1〕キャラクター数の確保
〔2〕前衛と後衛の割り振り
〔3〕戦闘バランスの調整
うーむ、長くなりそうです。
というわけで今回はさらに細分化して、「キャラクター数の確保」と「前衛と後衛の割り振り」に絞って考えます。
この2つの事柄は、「前衛エリアにいれる最大人数は、リミットの半分まで」と「後衛エリアにいられる最大人数は、前衛エリアにいる人数の2倍まで」という六門2ndの抽象化された戦場のルール(p61)に、密接に関係しているのです。
【前衛の確保】
六門2ndは「全体攻撃」という、シンプルかつ大胆な近接攻撃処理方法を、戦闘における主なダメージ源としています。
攻撃側の前衛全員のダメージを合計し、敵前衛にそのダメージを均等に割り振るわけです。
基本的に「回避して一切のダメージを受けない」というの概念が無いゲームですから、全体攻撃のダメージを防御(ガード行動)で減らすことはできるものの、ダメージを受けること自体は避けられません。
なので、防御能力やHPの低いキャラクターが前衛に立つと、瞬殺されてしまします。
ですが、前衛ひとりあたりに割り振られるダメージを減らす方法は、存在します。
それは、「前衛の数を増やす」ということです。
前衛の数が増えれば、喰らうダメージが少なくてすみ、戦闘中に力尽きるPCが減って、安定した戦闘を行えます。
おまけに全体攻撃のダメージも増えるので、攻撃力まで上がるわけです。
具体例をあげますと。
――敵からの全体攻撃が120点の場合。
前衛2人なら50%の60点ずつ、前衛3人なら約33%の40点ずつ、前衛4人なら25%の30点ずつのダメージを割り振られるわけです。――
それゆえ、六門2ndでは「数は力!」という理論が成り立ちます。
とはいえ、さすがに前衛の数を5人以上にすると、今度は「そんな人数がならべる広いリミットはない!」ということになりますので、冷静に考えれば前衛は3〜4人ということになるでしょう。
細かく言えば、50%(2人)と33%(3人)では17%ほどの差がありますが、33%(3人)と25%(4人)では8%しか差がないので、およそ3人でいい気がします。
そんな感じで、少なくとも前衛1人で100%の全体攻撃ダメージを引き受けるというのはアリエナイ――というか、そもそも後衛エリアに2人しかいられませんし――ということは、おわかりいただけるかと思います。
【後衛の確保】
では、パーティで3人強の前衛を確保したいとして、残りのプレイヤー人数は何人でしょう?
プレイヤーが6人とかいう恵まれた環境であれば、後衛としてあと3人弱となります。
プレイヤー5人だと、後衛は2人弱になります。
プレイヤー4人だと、後衛は1人弱。
プレイヤー3人だと、後衛は……0人!?
え、それで問題ないんでしょうか?
問題が無いはずありませんね。
それでは、適切な後衛キャラクターの数を考えてみましょう。
六門2ndでの後衛には、大きく分けて3タイプが存在します。
重要度順で並べると、次のとおりです。
〔1〕回復役
〔2〕攻撃役
〔3〕支援役
よほど慣れたプレイヤーでも無い限り、少なくとも1人は回復役を確保しないと、パーティ壊滅の大惨事が繰り広げられます。
また、六門2ndでは後衛役の火力も、バカにはできません。
できれば、攻撃や防御に関する何らかの支援も欲しいところです。
これら〔1〕〜〔3〕を1人でまかなうことも不可能では無いでしょうが、それでは戦闘中の手数が足りなくなる可能性もあるわけですね。
そう考えると戦闘バランス的には、できれば後衛を2人は確保したいところです。
でも後衛を2人以上確保するには、プレイヤー数が5〜6人必要なわけです。
プレイヤーが4人以下だと、困った顔をするしかないのでしょうか?
それに、心情的な問題もあります。
六門2ndは前衛と言っても戦闘中の行動選択肢はいろいろあるため楽しいのですが、世間の過半数のプレイヤーが、前衛PCを好む武闘派かというと、そういうわけにもいかないでしょうし。
「オイラは後衛キャラがやりたいんだい!」という要望に、応える必要があるわけです。
【キャラクター数の水増し】
そこで登場するのが、サモナーとマリオネイター(『サザンの闘技場』収録)です。
この2クラスはモンスターを召喚し使役することで、パーティの仲間を安定して1体増やしてくれます――召喚主のPCが無茶したり、召喚し忘れたり、ダイス目が悪く無い限り。
なのでこれで、パーティの人数を水増しすれば良いわけです。
え?
ネクロマンサーやエレメンタラー(『サザンの闘技場』収録)ではダメなのか、ですって?
そうですね、なんといいますか、まあ……ぶっちゃけダメです。
ネクロマンサーの召喚できるアンデッドは、太陽光の下ではガスガスとダメージを受けるため、野外に出るシナリオでは役立たない局面が多々あります。
エレメンタラーの召喚するエレメンタルは、確かに強力ではありますが、召喚時間がたったの10分。
戦闘の始まる前にエレメンタルを確実に召喚しておけるわけではないため、敵に不意討ちされればもちろんのこと、イニシアチブで先攻を取られただけで大惨事になります。
なので、ほぼ1日の間いてくれるサモナーとマリオネイターのモンスターでなければ、パーティ人数を水増ししたことにはならないわけです。
というわけでサモナーやマリオネイターがいれば、水増しはバッチリです。
プレイヤー数が3人でも、そのうち2人以上がサモナーかマリオネイターを担当すれば、実質的なパーティ人数は5人以上になるわけです。
へ?
それなら単純に、どんなプレイヤー人数でも好きなだけサモナーやマリオネイターを組み込めば最強なんじゃないかって?
はい、そうですね。
確かにプレイヤー全員がサモナーとマリオネイターで構成されていたら、戦闘では強いです。
疑いようも無く、最高に安定した、最強のパーティ構成でしょう。
でも世の中、みんながみんな、サモナーとマリオネイターをやりたいわけではないので、問題が発生してきます。
すると、どうなるかといえば、戦場に登場できないPCが出てくるのです。
【適切なキャラクター数】
前述のとおり、六門2ndの抽象化された戦場には、「リミット」のルールがあるため、特定人数のキャラクターしか存在できません。
ルールブックのサンプルシナリオや、サプリメントの『サザンの闘技場』と『空中庭園エリュシオン』を見ている限り、最初期のパーティが戦うことになる戦場のリミットは、だいたい6〜8程度です。
そう考えると、パーティのキャラクター数が7を超えてしまうと、戦場に出られないキャラクターが出てくるわけです。
戦闘バランスだけを考えた場合、戦場に出ずにすむキャラクターは、まず死ぬことがなく安全なわけですから、問題ありません。
しかし、その影響でサモナーでもマリオネイターでもないPCが戦場からはじき出された場合、そのプレイヤーはどう思うでしょうか?
「オラのPC死なずにすむからいいやー」という人もいるでしょうが、「あー、息をするしか、することねー」とだらけたり、ヒマに思うプレイヤーの方が多い気がします。
TRPGは、皆で楽しんでなんぼ、という物だと思いますので、ここは気を使った方がいいのではないかと思うわけですね。
なので筆者は、応援エリアにはじき出されるのは、召喚されたモンスターか、サモナーかマリオネイターのPCがいいんじゃないかと思ってます。
要するに、パーティのキャラクター数の上限を6〜7体程度にしておけば、少なくとも戦闘中にヒマをもてあますプレイヤーはいなくなるわけです。
少なくともGMがこのことを認識していれば、戦闘中にだれることは少ないんではないでしょうか。
というわけでパーティのキャラクター数は、サモナーやマリオネイターのモンスターを含め、6体くらいが、一番ゲームを楽しめるバランスなんじゃないかと思います。
ちなみに、サモナーやマリオネイターはレベルが上がると同時に召喚できるモンスターの数が増えるわけですが、その頃になると広いリミットの戦場も増えます(少なくとも『サザンの闘技場』と『空中庭園エリュシオン』の場合はそうです)ので、無問題です。
蛇足ですが、『空中庭園エリュシオン』のNPCクラリーネは、パーティのキャラクター人数に数えない方が、たぶん無難です――特定条件を満たさない限り、シェルハウスを出したり、薬品を手渡す以外、本当に何もできないからです。
※すごく重要! 同時攻撃での生存
このブログで、筆者は何度も「六門セカンドは戦略・戦術を練れるのが面白い!」と述べてますが。
そんな戦略や戦術を、木っ端微塵に吹き飛ばしてくれるのが、同時攻撃タイミングです。
イニシアチブ修正がお互いになければ6分の1の確率で発生する、GMの意図もPCの意思も無視して進む、この阿鼻叫喚の地獄絵図。
「そんなものがあるのに、なぜ戦略や戦術を語るのか?」と思う人もいらっしゃるでしょう。
ですが、このカオスな同時攻撃にこそ、六門2ndの面白さであるゲーム的な意外性が潜んでいると思うのです。
ゲーム的な意外性は、ときにストーリー性にも意外性を与えてくれるもんですよね。
それにまあ、細かい戦術単位はともかく、戦略単位では同時攻撃タイミングに対策を講じる術はあります。
最もシンプルな方法は、味方のキャラクター数を増やしておけばよいのです――こうすれば1人あたりに割り振られるダメージは減りますので。
他にも「○イニシアチブ:±X」を持つモンスターを常に連れ歩くとか、バトルダンサーの「○バランスステップ」で同時攻撃の次のターンはさすがに同時攻撃率が低下しそうだとか、色々と対処法があるにはあります。
こういった同時攻撃対処法も、だいたいはパーティ構成を考える時点で、方向性は決まっているものなのです。
それでもなお、同時攻撃発生率が0%になる戦闘は、あまりないわけですが……(笑)。

