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TRPG「六門世界RPGセカンドエディション」好きなゲーマーの紹介記録です。

[TRPG]RPGのゲーム性(笑):後編

 この記事は、「RPGのゲーム性(笑):前編」と「RPGのゲーム性(笑):中編」の続きの記事です。
 ちなみに改めて念を押しておきますが、このブログの記事は非常に偏った人物の手で書かれているわけですが、タイトルに「(笑)」とついている記事は、さらに珍妙な事が書かれている可能性が高いので、ご注意ください。
 むしろ、妄言とか世迷言だと考えていただいて、スルーしていただいた方が、精神衛生上良いのではないかとさえ思う程です――先にお断りしておきます、お目汚し申し訳ありません。

 それから、後付けで恐縮ですが、このシリーズの記事は、基本的に「私の思うところの、今世紀に入ってからの日本国内でのTRPGの流れ」をメインに書いています。
 さりとて、すべての国産TRPGどころか、日々非常に偏った遊び方をしておりますので、やはり思い込みの領域を抜ける話ではありません
 最近、海外TRPGは、D&Dさえ遊ぶ機会に恵まれていないのです……早くDD4th遊んでみたいです……。



■おさらい
 というわけで、前編と中編のまとめを。

(笑):前編」では、私の考えるゲーム性というのは「ゲーム性=競技性≒公平性」で、しかし「現在の国産TRPGは極めてゲーム性が低い」ので、「極論としてはTRPGに、ゲーム性なんて必要ないんじゃない?」という考え方に至りかけている――多くの国産TRPGが――的な適当な主張をしたつもりです。

(笑):中編」では、じゃあ「なぜ国産TRPGにはゲーム性が薄い方向性へ進んでいるのか?」という結論として、「TRPGって、要するに宴会だから、競技性とか公平性とかウダウダ言っても仕方ないんじゃね? だって結局、宴会を仕切ってるGMが公平な立場に無いんだから。だから、まあ、宴会を荒らさないように、プレイヤーもGMも、お互いのご機嫌うかがおうよ?」という方向に流れている……というトンデモ主張をしてみました。

 それでもまあ、私はTRPG(主として国産)に、ゲーム性の高さを求め続けずにはいられないのです――マンチキン気質と呼ばれやすい私としては、そこは、こだわらずにはいられないのです。

 なんというか、もう前フリからしてダラダラと冗長ですが、お時間と心に余裕のある方は、お付き合い頂ければ幸いです。



■「単なるゲーム」として遊べるTRPGが好き
 改めて結論を復唱しますが、私は、ロールプレイやら口プロレスを抜きにして、文字どおり書かれている事だけを遊んでもゲームとして成立するTRPGが好き、ということです。
 私が言うゲーム性というのは、要するにロールプレイやらGM判断やら卓を遊ぶメンバーやらに左右されない、誰が遊んでも共通するゲーム部分なのです。

 ちなみに、私自身はロールプレイやらGM判断やら卓を遊ぶメンバーやらに左右されるプレイを常日頃やっていますし、そういった要素があるからこそTRPGが好きなのは確かです。
 ですので、ロールプレイやGM判断を否定したりすることもなければ、遊ぶ場所やメンバーについてどうのこうのという考えも、強くは持っていません――好き嫌いで行くと、カジュアルプレイの方が好きですが。

「そんなにゲーム性とやらが好きなら、TCGなりボードゲームでも遊んでろよ」と思われるかもしれませんが、それはそれとして、TRPGは好きなのです。
 TCGやボードゲームというのは競技性が高く、どうしても「他のプレイヤーとの勝負」という要素が強くなるわけですが、正直言ってあまりゲームに勝てない私は、TCGやボードゲームばかりやっていると、いたたまれない気分に苛まれる事があるのです。
 勝負には勝てない上に、負けばかり込み始めると落ち込む、でも何となくゲームが好き……そんなわがまま極まりない私の要求を埋めてくれるのが、皆で同一目的に向かってゲームを進めるTRPGなのです。



■「ゲーム性が高い」≒「ゲームのせいにできる」
 ゲーム性の高いゲームというのは、シナリオなりセッションの成功・失敗を、ゲームそのものに責任転嫁できる部分があります。
 空気を読んだり、わざわざ場を盛り上げようとパーティ会場的な雰囲気作りを徹底するまでも無く、「このゲームは面白い」とか「このゲーム駄目だ(笑)」といった結果を、ゲーム性はもたらしてくれると思うのです。

 例えば、私は別にTRPGを遊んでいて、自分たちのPCパーティが全滅しても、それほど痛痒を憶えない可能性が充分にあります――これは、それこそ卓を囲んでいるプレイヤーやGMとの関係性が大きく影響しますので、断言しきれる物ではありません。
 昔からD&Dを遊んでいたら全滅なんて日常茶飯事でしたし、このブログの趣旨である六門世界RPGでも全滅は10回前後は体験してますが、特にそれでへこんだりはしたことはありません――むしろ、全滅した瞬間にセッションに参加していた全員で爆笑したことも何度かあります。

 また、ゲーム性が一定以上あるTRPGというのは、シナリオ目的を達成できなかった場合であっても、いくぶん平気な部分があると思うのです――戦略や戦術のミスが明白に分析できたり、ダイスのせいにして「運が悪かった」で済むからです……つまり「シナリオ失敗」は「セッション失敗」とは限りません。
 これが、ゲーム性以外の要因――ロールプレイやGM判断や参加者の人間関係など――でシナリオ目的を達成できなかった場合、少なくとも参加者の誰かに大きな精神的ダメージが及びやすい、という状況になってきます……つまり、「シナリオ失敗=セッション失敗」になりやすいと思うのです。

 ロールプレイやGM判断や参加者の人間関係などで、シナリオやセッションが面白い方向へ転がっていくことも、よくあることではありますが、私は常々それは偶然の産物でしかないと思っています。
 だから、ブログを立ち上げたときの「プラスの偶然性こそTRPGの楽しさ(笑)」という妄言が出てくるわけです。



■TRPGの「ゲーム性」には「個人の楽しみ」に反する弊害がある?
 ところで、TRPGというのは協調性が重要だと言われる反面、非常に個人的な楽しみが許される側面を持ったゲームでもあります。
「個人的な楽しみ」というのは、「個人的なわがまま」と言い換えてもいいかもしれません。
 自分のPCの行動信念を曲げないとか、こだわりのロールプレイを貫くというのは、自己満足も含めた、個人的なわがままの延長線上にあるものでしょう。
 ハンドアウトや個別導入シーンといったストーリー的なバックアップは、こういった「個人的なわがまま」を極力抑えるために作り出された、プレイヤーの自己満足を促すための構造でしょう。

 実はTRPGにおいてゲーム性を極限まで重視した場合、こうした「個人的な楽しみ」の部分がおざなりになってしまうという弊害も起こりえます。
 分かりやすく言うと、「常にゲーム的に有利な選択をし続けること」が、ゲーム性を重視しすぎると優先されてしまうことがあるからです。
 ここまでいくとやりすぎなわけですが、実はこうした部分も、TRPGにおけるゲーム性をある方向に持っていけば、緩和されるということに、ここ数年で私は気づきました。



■「ゲーム性」と「ロールプレイとGM判断」を切り離すTRPG
 TRPGにおいて、「ゲーム性」と「ロールプレイとGM判断」というのは、密接に関わってきたように思います。

 例えば、あるシチュエーションにおいて、あるルールが有効か無効かを、プレイヤーとGMが口プロレスして決める――勿論、最終的にはGM判断という形で決着して――というのは、非常にTRPGらしい光景だと思います。
 ですが、口プロレスをGMにふっかけているプレイヤーはある種の楽しみがあるかもしれませんが、それを傍で見ている他のプレイヤーが楽しいかというと、そうとは限らないように思えます。
 つまり口プロレスは、「TRPGの楽しさ」としては万人向けでもなければ、常に期待できる面白さでもないわけです。

 ロールプレイについても同様でして、「自分のPCは、例えゲーム数値的に有利だとしても、そうした行動は取らない」といったロールプレイをすることは、よくあることでしょう。

 しかし、こうしたGM判断やロールプレイというのを、ゲームの進行からは切り離して考える、という方法論があるのではないかと、ここ数年で気づいてきました。
 私にそれに気づかせてくれたのが、『六門世界RPG』なのです――さらに具体的に言うなら、『迷宮都市メルラルズ』で遊ぶ『六門世界RPG』となります。
 簡単に言うと、「ロールプレイはあっても良いが、それがゲーム性に影響を与えるかどうかはGM判断次第」とか「GM判断はあっても良いが、実はほとんどGM判断を挟まなくてもゲームを進められる」という方法論が、『迷宮都市メルラルズ』と『海賊都市クロスボーン』と『空中庭園エリュシオン』といったサプリメントで提示されたわけです。
 最近ではここにSW2.0の『ミストキャッスル』も入ってきましたが、六門2ndは基本のゲームシステムからして、こういった「ゲーム性」と「ロールプレイとGM判断」の切り離しを意識していることもあり、シナリオ構造とゲームシステムの融和性が抜群です。
 他のゲームでは『迷宮キングダム』にもこうした「ゲーム性」と「ロールプレイとGM判断」の切り離しの設計思考を感じ取れます。
 そして最近ですと、まだ遊んでいませんが『D&D第4版』に、その部分を強く感じます。

 こういった「ゲーム性」と「ロールプレイとGM判断」の切り離すスタンスのTRPGは、これからどんどん増えていくのでは無いかと思います。
 そして今のところ、私の思う「ゲーム性」の強いTRPGというのは、ある意味で「ロールプレイとGM判断」がなくてもセッションが成立するゲームなのです。
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きまぐれTRPGニュース 2009年03月23日(Mon) 08:15