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Rock_Mon2nd

TRPG「六門世界RPGセカンドエディション」好きなゲーマーの紹介記録です。

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[SW2.0]ミストキャッスルの初期感想と分析

 ソード・ワールド2.0サプリメント『ミストキャッスル―蛮都からの生還―』、ソロプレイしてみました。
 予想どおり、か~な~り面白いです!
 そして、早く卓を囲んでキャンペーンプレイを立ち上げたいと思いました。

 ところで六門信者の私の感想は、どうしても六門世界RPGと、他のゲームの比較になりがちです。
 なので、今回はその辺りを抑え、ゲーム分析――をやってみようと思います。
 ――つまり後ほど別記事で、六門のサプリメントとの比較分析をしまくる気満々でいる、ということです(笑)。

 ネタバレは無いので、安心してください。
 その代わり、無駄に長文な上に、ゲーム内容が把握できるようなことも書いてません(汗)。
 あくまで、感想と分析が中心です。
 ゲーム内容の紹介については、私なんかがどうこう書くより、公式ページなり、『Role&Roll vol.53』を読む方が、100倍分かりやすいと思いますので……。



■先にまとめ
 先にミストキャッスルについて、私が感じたことを、まとめて書いておきます。
 私がまず言えるのは、『ミストキャッスル』は、素晴しく良くできたキャンペーンシナリオだということです。

【大きなメリット】
・1人でも、そこそこ遊べる。
・1人でも遊べるので、GM無しでも遊べる。
・GM無しでも遊べるということは、GMする人は楽ができるということ。
・実は初心者GMが、初めて挑戦するキャンペーンシナリオとして最適。
・ゲーム進行は、プレイヤーが主体である。プレイヤーの行動が確実に反映された結果、様々なイベントが発生し、さらにそれをプレイヤーが拾うことで、次のイベントが発生する。どこでゲーム進行を止めるのかも、プレイヤーが決めることになる。
・繰り返し遊んでも、たぶんかなり楽しい。

【現行SW2.0ユーザーに反発を受けるかも知れない部分】
・初めて出るサプリメントとしては、世界観的な設定が尖っている。
(⇒旧版やリプレイの雰囲気とは乖離している。でも、これはこれで、かなり面白い)

・旧来型のソード・ワールドRPGの「サプリメント」ではなく、いわゆる「キャンペーンシナリオ」として運用するのが中心である。
(⇒一度、ミストキャッスルを遊んだことのある能力のあるGMなら、普通のワールドガイドやシナリオソースとしても活用は可能)

・「キャンペーンシナリオ」であるがゆえに、これまでのSWのシナリオに比べ、PCの自由度が低いように見える。
(⇒実は、そんなことはない。行動選択の積み重ねにより、プレイグループごとでかなり違う展開になることが予想される)

・PCの生死の扱いが、ゲーム的過ぎる。
(⇒PCがランダム発生の遭遇で事故死しやすい。そして死んだPCが簡単に復活する。全滅するとPCは魔改造で強くなるが、やりすぎるとPCそのものが「穢れ」で失われる。脱出できたとしても、「穢れ」が多すぎてはその後のPCの人生が不安。……などなど)

・ゲーム的処理が多く、PCの地位や人権が軽すぎて、ロールプレイでPCに感情移入しにくい部分があるかも?
(⇒ロールプレイより、ゲームプレイを堪能できる)

・創作意欲のあるGMは、書かれている通りに遊んでいる限り、ヒマに感じるかもしれない。

【簡単な結論】
・『ミストキャッスル』は、「書かれていることをそのまま処理するだけ」で成立するキャンペーンシナリオである。
・「書かれていることをそのまま処理するだけ」で遊べるように、非常にシステマチックなゲーム的処理が多い。
・上記の理由により、どちらかといえばTRPGの「ロールプレイング」よりも「ゲーム性」を重視したシナリオである。
・「ゲーム性」だけでは「ロールプレイング」を重視するプレイヤーがツマラナイと感じてしまうかもしれないので、尖った設定や珍妙なイベントを増やし、プレイヤーに「変わったシチュエーションを楽しんでもらおう」という部分が多い。
・遊ぶ人は『ソード・ワールド2.0』であることに拘りすぎず、『ミストキャッスル』というイベント満載の空間を、進んで楽しむスタンスでいるのが吉。

 誤解の無いように先に書いておきますが、いくらゲームブック的な書式だからと言って、『ミストキャッスル』は本にそのまま書かれている通りにしか遊べないわけではありません。
 GMがシナリオを事前に読み込むなどしておけば、プレイヤーの発言を汲み取り、本の選択肢に無い方法でキャンペーンを進めていくことは、充分に可能でしょう。



■世界観――ミストキャッスルという街
 ソロプレイする場合や、キャンペーンシナリオとして1冊にまとまっていることを考えた場合、この街の設定は、非常に優れています。

【明白なPCの目標とシナリオ構造】
「蛮族に支配された街からの脱出」……このコンセプト自体は、非常に昔ながらのゲームブックの題材にありふれていた物だと思います。
 しかしTRPGになれば、この「蛮族に支配された街からの脱出」というのは、スリリングなシティアドベンチャーという題材となり、昔のゲームブックに触れていない層にとっては、新鮮に感じられるのでは無いでしょうか。

【予想される反発要素】
 ソロプレイやキャンペーン前提のゲーム設定としては優れているミストキャッスルですが、これに反発や違和感をおぼえる層も、いるかもしれません。
 具体的には、旧SW1.0に長く親しんだ層や、グループSNEの「ちょっとヌルい、和気藹々とした冒険者の、日常的な冒険」を描いたリプレイに慣れている人には、ミストキャッスルの設定は、かなり尖った、そして制限の多い物に映るはずです。

 わかりやすいところでは、ミストキャッスルではPCの社会的地位が低いという点が挙げられます。
 これまでソード・ワールドでは、PCの立場を社会の最下層に持ってくるようなシナリオや設定は、ほぼ存在しませんでした。
 しかしミストキャッスルでは、旧版で例えるならば、ファンドリアやドレックノールよりも俗悪な環境におかれた状況で、PCたちは冒険することになります。
 しかしこれは、「街からの脱出」という目的をより鮮明にするための設定なのです。

 しかし、しょっぱなのサプリメントとして考えると、「いきなりファンドリアやドレックノールで遊べっていうような物なら、それは偏ってるんじゃないか?」と感じる層がいるとは思います。
 私としても、2つめくらいのキャンペーンシナリオなら、この設定は大いに受け入れやすいものだったと思いますが、1つめのキャンペーンシナリオとしては、さすがにハッチャケ過ぎかな、とは思いはします(笑)。

【ワールドガイドではなくキャンペーンシナリオ】
 ですが、違和感を感じるからと言って、遊び込まずにそういった反発を覚えるのは、もったいない気がします。
 このミストキャッスルがこういった尖った設定になっているのは、この本が、旧来型の『ツアー系』のワールドガイド的なサプリメントとは一線を画しているからです。

 つまり、ミストキャッスルは「ワールドガイド」や「シナリオソース」ではなく、そのまま遊ぶ「キャンペーンシナリオ」として作られているからです。
「ワールドガイド」や「シナリオソース」としても使えないことは無いでしょうが、少なくとも初めてミストキャッスルで遊んでみようというのであれば、本に書かれているとおりに遊んでみることをお奨めします。



■閉鎖空間とインパクトの大きなイベント
 ミストキャッスルをシナリオとして捉えた場合、その特徴として、「PCは完全に閉鎖された空間でしか行動できない」ということと、「イベント内容に、他の人族の町ではありえないような、珍妙なものが多い」ということが上げられます。

【閉鎖空間】
『ミストキャッスル』は、シティアドベンチャーのシナリオです。
 しかし実際には「PCは完全に閉鎖された空間でしか行動できない」ので、ゲーム構造的に考えると、実はダンジョンシナリオとあまり変わらない物だと感じる人がいるかもしれません。

 しかし私が思うに、そもそもシティアドベンチャーというのは、「ダンジョンシナリオよりも行動選択肢とNPCが多い」というだけで、シナリオとしては「各場所・各遭遇を個別に処理し、それを続けることで最終目的に到達する」という点において、ダンジョンシナリオと差異はないでしょう。
 ダンジョンシナリオと異なる点があるとすれば、GM裁量やGMのアドリブに重きが置かれやすい、ということだけです。
 要するに、GMがシティアドベンチャーのシナリオを用意してきたのに、わざわざその街から出て行くようなプレイをする人はいませんよね、ということです。
 そして『ミストキャッスル』には、プレイヤーが不満をおぼえない程度の選択肢と、普通のGMには準備しきれないほどの膨大な数のイベントが用意されています。

 少々脱線してしまいました。
 つまり、商品として「ソロプレイできる」とか「GM無しで遊べる」とうたっている以上、ゲーム進行にプレイヤーの考えを挟む余地を減らし、PCの行動にも制限をかける必要があるわけです。
「空を飛んだら撃ち殺される」という激しい設定も、当然ながらPCの行動を制限するための物です。
「なんだ、ミストキャッスルじゃ、自由な行動はできないのか!」と思うかもしれませんし、それも一面的には事実ですが、ミストキャッスルの面白さというのは、そういった「GMとの口プロレス」や「リアルリアリティの追求」という部分では無いのです。

 また、「閉鎖空間」と、先に挙げた「特殊な街の設定」というのは、キャンペーンを同一ルールで進行するために、非常に都合の良いデザインである、というのも理由のひとつです。
 キャンペーン中、ずっと同じ設定と、同じゲーム進行ルールを維持できる――つまり、GMのマスタリングにブレができない――ので、プレイヤーはゲーム進行なりロールプレイなりに集中しやすいわけです。

【インパクト大なイベント】
「イベント内容に、他の人族の町ではありえないような、珍妙なものが多い」というのは、実は前者の「閉鎖空間」から生まれるプレイヤーの不満や抑圧を、インパクトのある出来事や、笑いなどで緩和しようという意図だと思います。
 理不尽でご無体なイベントや遭遇やNPCも、先に挙げた「霧の街は、すっごく変な蛮族の街だから!」という設定で押し切れるため、オモロなイベントが増えているという側面もあります。

 ちなみに各イベントには、他のイベントと相関関係のあるものと関係の無いものとがあります。
 しかも、ミストキャッスルの地形はランダムに決定されるため、相関関係のあるイベント同士が発生するかどうかも、実はランダム性とプレイヤーの選択によるところがあります。
 何が言いたいかというと、キャンペーンゲームとして考えた場合、PCが一貫して持つべき目標は「街からの脱出」だけであり、それ以外の起承転結を持ったストーリー展開は、この本では重視されていないのです。
「街からの脱出の過程を、参加者全員で楽しむこと」というのが、重視されており、言い方を変えれば「プレイグループごとに異なる過程のストーリーを楽しんでくれ」というスタンスでもあります。

【ゲーム進行はプレイヤー主体のペース】
 ゲームブック的な構造に加え、さらにランダムに決定される街の位置関係によって、GMもプレイヤーも予想しない展開が繰り広げられます。
「インパクト大なイベント」が用意されているのは、この「プレイヤーの行動選択肢が、状況変化に大きく影響している」という部分を強調するための演出としても働いています。
 そしてゲーム進行のペースは、GMではなくプレイヤーが主導になります。
 これは、ある部分でシーン制のTRPGの真逆の方向性です。
 シーン制のゲームの場合、プレイヤーの選択肢は、あまりゲーム進行に影響を与えません――つまり、GMの用意していたストーリーラインが、ゲームに進行ペースを決定づける、最大の要因だからです。
 しかし『ミストキャッスル』の場合、実は「閉鎖空間」の「限られた行動選択」をプレイヤーは選んでいくのがゲーム進行の主体で、それがランダムに絡み合っているだけなのに、プレイヤーは自由度を感じる可能性があるのです――なぜなら、イベントのレスポンスが大げさだからです。
 シーン制に近しい部分もあります。
 それは、各場所でのイベントを終了させた時点で、プレイを中断させるかどうかを決めることになる、という部分です――街の各場所が、1シーンだと捉えられるのです。
 どこでプレイを中断し、どのNPCとの関係性や、どのイベントを進行していくかは、プレイヤーの選択肢によって完全に決められる――実は決められた選択肢を選んでいるだけなのに――複数人数で遊んだ場合、プレイヤーはこの不思議な自由度を感じるのでは無いかと思います。
 ――なぜ、ソロプレイしかしてないのに、複数人数でのプレイ感覚まで言及できるかと言うと、私は似たようなゲーム構造の六門世界RPGのサプリメントを何度も遊んでいるからですね(笑)。

【繰り返し遊んでも楽しそう!】
「閉鎖空間」と「インパクト大なイベント」……上記2つの要因は、「繰り返し遊べるキャンペーンシナリオである」という商品的なうたい文句を実現するためには、必要なものと言えます。
「同じキャンペーンシナリオなんて、複数回にわたって遊んでたまるか!」と思われる人がいるかもしれませんが、そうとは限りません。
 私の予想では、半年から1年後には、ネット上にも「ミストキャッスルの2周目クリアしたぜ!」的な記事が、あまり探さなくても見つかるようになっていると思います。

【初心者GMの初キャンペーンに最適!】
 ちなみに「閉鎖空間」と「インパクトの大きなイベント」というのは、初心者GMにとっては非常にありがたい構造です。
 PCの行動は、GMが自信がないなら、シナリオに書かれている通りに処理すればよいだけです。
 そして、わざわざGMが盛り上げようとしなくても、珍妙なイベントや、事故的な遭遇で、プレイヤーは大いに盛り上がるだろうからです。



■ストーリーよりシチュエーション、ロールプレイよりゲームプレイ
 というわけで、改めて結論です。
『ミストキャッスル』は、キャンペーンシナリオですが、ストーリーを追いかけることに重きを置いていません。
 しかし、「みんなでワイワイ言いながら、仲良くゲームを楽しむ」というツールとして考えた場合、非常に優れたTRPGツールだと思います。

【PCの目的は明白、行動の幅や出会いのパターンは多様】
 PCとしては街からの脱出が最大目的です。
 しかしプレイヤーとしては、「『ミストキャッスル』という街での生活や冒険に満ちた日々を楽しむこと」が、最大の目的になるでしょう。

 つまり、「PC生存のために、その場をどうやりすぎるか?」と、「PCが街から脱出するためには、どのようにPCを成長させ、手持ちの資金やコネをどう活かすか?」という、ロールプレイというよりは、ゲーム的な目的に重きを置いて遊ぶのが、楽しいシナリオです。
 極論で言えば、プレイヤーみんなで相談しながら進める、協力型のボードゲーム的な要素が強い、ということになります。

 なので、「自分のPCを、とにかく活躍させたい!」という嗜好の人は、ロールプレイ的な活躍を考えていると、あまり楽しめないかもしれません。
 もちろん、ロールプレイをするなとか、ロールプレイを否定しているわけではありません
 むしろ、『ミストキャッスル』なりのロールプレイは、模索できると思います――これほどPCが虐げられるシチュエーションは、そうそう無いからです(笑)――ただ、ロールプレイが、キャンペーンにおけるPCの活躍には直結しにくいだろう、ということです。
『ミストキャッスル』で自分のPCを活躍させたいのであれば、自分のPCがパーティ内でどのように活躍できるのかとか、次のイベントを効率よくこなすにはどうすれよいのかといった行動立案などで、頑張っていくのが良いのでは無いでしょうか。

【SW2.0に、こだわり過ぎないのが吉】
 とにかく「『ミストキャッスル』はゲームとしても、街の雰囲気も、抜群に面白い!」そこは間違いありません。
「SW2.0らしさ」なんていう、あって無きがごときの固定概念に囚われず、SW2.0が好きな人も興味が無い人も、とにかく色んな人に遊んでもらいたいキャンペーンシナリオです。
「SW2.0らしさ」という点で考えた場合、「SW2.0の、蛮族の文化を知ることのできるツール」という意味合いにおいては、ワールドガイド的にも、これほど優れたサプリは無いと思います。
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