というわけでパーティ編成の中編です。
前回は「キャラクター数の確保」と「前衛と後衛の割り振り」について考えました。
結論として筆者としては、前衛キャラは3人強は確保したいということと、パーティのキャラクター数の上限を6〜7体程度にしておけば、少なくとも戦闘中にヒマをもてあますプレイヤーはいなくなるという理論をでっちあげたわけですね。
プレイヤー人数が足りない場合は、なんとかキャラクター数が6体くらいになるよう、サモナーやらマリオネイターで水増ししてみましょう、ということも述べました。
というわけで今回は、プレイヤー人数に関係なくおすすめな、6〜7体のキャラクターの内わけを考えて行きたいと思います。
PC間の戦闘的な役割分担ということになりますね。
六門2ndはゲーム部分が強調されたTRPGですが、厳密かつ論理的かつ効率的に役割分担しなければならないわけありませんので、実際にはプレイヤー同士の好みや適正を考えて役割分担を考えてみてくださいね。
今回は役割分担の中でも、前衛についてスポットを当ててみます。
パーティ編成とか言いながら、かなり戦術とかプレイング方向のクドい方面へ突っ込んでおりますが、ご容赦ください。
●前衛の役割分担
前衛の役割を優先度順に並べると、次の3つになるでしょう。
〔1〕倒れないこと
〔2〕全体攻撃ダメージをたたき出すこと
〔3〕可能ならピンポイントに個別攻撃できること
【倒れない前衛】
前衛は、可能な限り1人も倒されないにこしたことはありません。
1人でも前衛が倒れてしまうと、その後の戦闘で全体攻撃によって受けるダメージが激増するからです。
これは前衛が3人以下ならば、最優先に考えたい事柄です。
前衛3人だと33%ですんだ被ダメージが、2人だと50%となって残りの2人も倒れやすくなり、さらに1人倒れると――ぶっちゃけ全滅コースまっしぐらです。
実はこの問題、前衛が4体いるだけでかなり解消されます。
1人倒れても、被ダメージは25%から33%になるだけですむわけですから。
なので、筆者は前衛キャラは3人強は確保したいと主張してるわけですね。
では「3人強」の「強」の部分は誰が確保するのかというと、次回以降に触れる【臨機応変の中衛】か、サモナーやマリオネイターが支配するモンスターです。
とはいえ前衛希望のプレイヤーが少ない場合も多々ありますので、3人前衛というのがリアルな数でしょう。
というわけで前衛3人の場合、いかにして1人も倒れないようにするか、ということになります。
もっともシンプルな解決策は、1人がナイトを獲得することです。
ナイトには、全体攻撃ダメージをはじめとして、他人の受ける物理ダメージを軽減できる「◎とおせんぼ」という特殊能力があるからです。
緊急時に「◎とおせんぼ」を使うことで、前衛の生存率は飛躍的に上昇します。
ただ、「◎とおせんぼ」を使うときにはガード回数を消費するため、ナイトはガード回数を2回以上は確保しておく必要があります。
ガード回数を増やすストレートな方法は、盾を装備することです。
とはいえ盾を装備すると、武器の両手持ちに比べて大幅に打撃力が下がります。
なので、パーティの全体攻撃ダメージが少なそうなら「○ガード回数アップ」を持つデュエリストと組み合わせ、片手でも両手でも使えるバスタードソードと、強敵に遭ったときに使うための盾を用意しておくのが、わかりやすく強い壁役と言えるでしょう。
ガード行動の〈防御力〉判定に、できるだけ失敗しないことも重要です。
〈防御力〉判定に失敗した瞬間、どれだけ分厚い鎧を着込んでいたところで、被ダメージが増えるからです。
とはいえキャラ作成時点に限って言えば、〈防御力〉レベルを上げるのはそれほど有効な手段ではありません。
低レベルの間は、〈防御力〉判定の基準値となるHTを上げるのが上策で、最低でも12、できれば早めに13〜14程度まで成長させておくのがおすすめです。
HTを上げるとHPと防護点まで連鎖して上がるため、少なくとも低レベルの間は〈防御力〉を上げるより、効率が良いのです。
また、前衛がHPが高い方がいいのは、言うまでもありません。
キャラ作成時点で最低でも35点くらいのHPがないと、前衛としては頼りない存在と言えそうです。
◇おすすめクラス
ナイト、デュエリスト、ウォリアー
※「◎とおせんぼ」の「概要」は無視!
「◎とおせんぼ」の概要を読んでいると、かばってもらう側にもガード回数が必要と思えます。
しかし、全般的に概要にはルール的な制約力は無いようですので、概要にルール的なことが書いてあっても、無視しましょう。
その論拠は、製作者サイドのリプレイで、ナイトがガード回数の残っていないキャラクターに「◎とおせんぼ」を使っているからです。
筆者の実プレイ経験から考えても、ゲームバランス的に「◎とおせんぼ」はガード回数の残っていないキャラクターに使えなければ、存在意義がかなり薄くなると思います。
ルールブックの110ページにも
――「概要」は、効果のイメージを伝えるフレーバーです。概要にあるイメージをゲーム内に反映させるかどうかは、GMの判断によります。――
とありまして、要するに「概要に書いてあることは、効果をわかりやすくするためのもので、それ以上の意味を求めたいGMはそうしてもいいよ」ということだと思います。
※薬品を忘れず用意
六門2ndは、毎ターンのメイン行動のアクションの他に、準備ステップで薬品を飲むことができます。
そして六門2ndの戦闘バランスは、この薬品を考慮して取られているようなのです。
なので前衛は、戦闘中は常にHPを回復できる薬品を、装備スロットから切らさないようにしましょう。
ちなみに非戦闘時の回復は〈応急手当〉が効率がよいため、救急キットも忘れずに。
【全体攻撃ダメージの確保】
何度も書いていますが、六門2ndの最も基本的な敵にダメージを与える方法は、全体攻撃です。
全体攻撃が主なダメージ源となるのは、ランニングコストとしてBPやスペル枠などが必要ない、誰でも実行の可能な行動だからです。
そういうわけで、ある一定以上の全体攻撃ダメージを確保しなければ、無用な消耗を招くことになります。
というのも、六門2ndの戦闘では「全体攻撃ダメージを回避する」という概念が基本的に存在しないため、HPの削りあいになるからです。
そのため、たいていの戦闘は2〜3ターン目には趨勢が決し、5ターンを超える戦闘はなかなか発生しません。
ちなみに戦闘が長引くと消耗するのは、HPを回復するための薬品、強い特殊能力に必要なBP、呪文を使うと消費するスペル枠、飛び道具の矢、ファンブルや特殊能力の使用で傷む武器や防具などです。
では、具体的な全体攻撃ダメージを確保する方法ですが、これには2つのポイントがあります。
一つ目は、前衛の全員が〈攻撃力〉判定に失敗しないことです。
――例えば、あるウォリアーは平均40点の全体攻撃ダメージを出すことができ、その相棒のナイトはそれに比べればかなり低い平均20点程度のダメージを出せるとします。
そしてウォリアーが「◎強打」を使って15点ダメージを増やし、全体攻撃ダメージを45点にしたとしても、ナイトが〈攻撃力〉判定に失敗してしまうと、収支は平均より5点低い全体攻撃ダメージで、さらに「◎強打」のBPと装備耐久度が無駄に支払われたことになってしまうわけです。――
〈攻撃力〉判定に絶対失敗しないというのは無理な話ですが、失敗率を下げることは可能です。
わかりやすいところでは、低レベルのPCは、〈攻撃力〉レベルより、STを優先して成長させることです。
「〈攻撃力〉レベルを上げる=高い評価が出やすくなる」のは間違いありませんが、低レベルのPCは特に高い評価を目指す必要はありません。
それよりは、STを13〜14まで上昇させ、「とにかくD〜C評価は確保すること」の方が重要です。
また、STを上げればメレー基本ダメージが上がるのに加え、重い武器を持つことで、両手持ちのダメージまで増やせます。
結果として、STを1点上げると、失敗率が低下するうえに、サイコロを振ることなく確定でメレー基本ダメージが2点上昇するようなものなのです。
〈攻撃力〉レベルを上げても、「良い評価が出る確率」が高くなるだけで、安定性には欠けるのです。
二つ目の方法は、両手持ちで武器を持つメンバーを増やすことです。
両手持ちで武器を持つと、武器の必要STがそのまま武具ダメージに加えられます(ルールブックp102)。
前衛PCが必要ST13の武器を持っていたとすると、それだけで約サイコロ4個ぶんものダメージが増加するわけです。
とはいえ、味方を守るのが最重要課題のナイトが両手持ちをすると、肝心なときに「◎とおせんぼ」のためのガード回数が不足することもありえますので、この辺りは攻撃よりも生存を優先すべきかもしれません。
◇おすすめクラス
ウォリアー、ナイト、デュエリスト、モンク
【個別メレー攻撃で各個撃破!?】
モンクの「◇ラッシュ」や、シーフの「◇バックスタブ」を使えば、前衛であっても敵単体を狙ってダメージを与えられます。
確かに「◇ラッシュ」や「◇バックスタブ」は強力です――ただし条件が揃えば、の話です。
「◇ラッシュ」や「◇バックスタブ」は普段より大ダメージを出しやすいため、これらの特殊能力を持つPCを扱っているプレイヤーとしては、「オレの強力な個別攻撃を使わせてくれ!」と考えてしまいがちです。
しかし本当にそれが正しい戦術かどうかは、ちょっと考えたほうが良いでしょう。
何度も書いていますが、六門2ndの基本的なダメージ源は、全体攻撃だからです。
具体的に言いますと、個別のメレー攻撃で単体を狙うのは、敵のガード回数が残っていないときか、その一撃で敵に止めをさすことができる確信があるときがおすすめです。
また、敵の最後の前衛1人を、「◇ラッシュ」や「◇バックスタブ」で倒す意味はあまりありません――残りの前衛の全体攻撃というノーコストの行動が無駄に残りますし、それなら一緒に全体攻撃に参加する方がノーコストですむからです。
敵にガード回数が残っている場合、「◇ラッシュ」や「◇バックスタブ」は敵のガード回数を減らすだけで、たいして敵のHPを削れずに終わることが多々あります。
一般的に、ガード回数を削る役目は、BP消費よりもランニングコストの低いレンジ攻撃が有効でしょう――なにせ、1発2Gですみます。
複数回のガード回数を持つ敵のガードを減らすことに何の問題があるかというと、複数回ガードさせるのは、すなわち攻撃ダメージを減らされる回数が増えるということに繋がるからです。
敵にガードさせる回数が少ないほど、敵のHPは多く減っているはずです。
敵に止めを刺さなければならない理由は、「◇ラッシュ」や「◇バックスタブ」の後に、全体攻撃が控えているからです。
1人の前衛が「◇ラッシュ」や「◇バックスタブ」を使うと、1人ぶんの全体攻撃ダメージが減ります。
すると、個別のメレー攻撃で、全体攻撃ダメージを割り振られる敵の数が減っていないとなると、敵のガード値や防護点をふまえると、明らかに採算が取れなくなるのです。
具体例を示しましょう。
――味方前衛3人の平均の全体攻撃ダメージが90点で、そのうち33%の30点をモンクが担っていたとします。このモンクは「◇ラッシュ」を使うと、平均で40点のダメージを発生できます。
敵の数が3体、それぞれガード回数は残り2回、ガード値+防護点の合計は20点、HPは30点です。
モンクが「◇ラッシュ」を使う場合、敵1体はガード回数を1回消費して、残りHPは10点です。その後、味方2人が全体攻撃(60点)すると、敵3体にそれぞれガードされて、ノーダメージです。結果、与えたダメージ合計は「◇ラッシュ」による20点だけとなります。
モンクが「◇ラッシュ」を使わず全体攻撃する場合、3人が全体攻撃(90点)すると、敵3体にそれぞれガードされて、敵1体あたりに10のダメージを与えます。結果、与えたダメージ合計は30点となります。――
この例だと、BPを1点消費した「◇ラッシュ」を使った戦法より、ノーコストの全体攻撃の方が、敵への与ダメージが多いわけです。
もしかすると極端な例に見えるかもしれませんが、GMとして六門2ndのセッションに立ち会っていると、かなり頻繁に見かける光景なのも確かです。
なので、せめて明白にガード値が高そうだったり、ガード回数の多そうな相手には前衛が「◇ラッシュ」や「◇バックスタブ」をしかけないようにするといった心がけが、モンクやシーフには必要なのです――わかりやすいところでは、盾を持つ敵には個別のメレー攻撃をしかけないように。
◇おすすめクラス
モンク
※高レベルは別次元の思考
これまで示したのは、低レベル時のセオリーです――モンクの場合には「◎通し」を習得し始め、LLサイズのような防護点が30点以上あるような敵と戦うようになってくると、また別の理論も出てきます。
「◎通し」や「◎強打」と併用される、「◇ラッシュ」や「◇バックスタブ」は、まさに必殺の一撃となるわけです。
低レベルPCや初心者プレイヤーがこれらを使いこなすのには、経験が必要でしょう。
ちなみに最初期から前衛に1人でもモンクがいると、将来キャラクターレベルが4〜5くらいになってきた頃には、全員がモンクになって「◇ラッシュ」を繰り出しているとかは、わりとよくある景色です(笑)。
【前衛向きの召喚モンスターは?】
ここまでは、PCが直接前衛に立つことを中心に考えてきました。
しかし筆者のこれまでのプレイ経験では、前衛にキャラクターが3〜4体いたら、そのうちの1〜2体は召喚モンスターであることが多いように思います。
というわけで、ここでは前衛向きのモンスターについて、少しだけ考えてみましょう。
ただし今回ご紹介するのは初期に選べるSS〜Sサイズモンスターに限ることにします――それ以上のサイズを呼べるレベルなら、パーティに合わせて色々なモンスターが選択肢に入ってくるからです。
◇倒れない前衛モンスター
まず、【倒れない前衛】についてです――つまり、前衛がPCを含めて3体の場合、その3体目の前衛としてキャラ作成時に最もオススメなタイプです。
サモナーの場合です。
ルールブックなら、レイン・スラッグ、ブラウニーズ。
『サザンの闘技場』なら、クリムゾン・アント、フライング・マンタ、マーブル・ビートル。
『スカーレット・オーバード1』なら、ハンマー・クラブ。
マリオネイターの場合は、ウッド・ゴーレム1択です――貧相に見えるかもしれませんが、ガードに失敗しないので充分です。
◇全体攻撃ダメージ役モンスター
続いて【全体攻撃ダメージの確保】に向いているモンスターです――前衛が他に3体以上確保されている場合におすすめですが、防御役や回復役が充実しているならこれを壁にもできます。
お先にサモナーの場合です。
ルールブックなら、レイン・スラッグ、ウルヴァリン。
『サザンの闘技場』なら、クリムゾン・アント、フライング・マンタ、マーブル・ビートル。
『スカーレット・オーバード1』なら、ハンマー・クラブ。
マリオネイターの場合は、ウッド・ゴーレム1択です(笑)――失敗しない全体攻撃32点は、破格です。
◇個別メレー攻撃・特殊前衛モンスター
最後に【個別メレー攻撃】向きですが、これはゲームに慣れたプレイヤーでもない限り、ほぼ4体目の予備の前衛と数えるのがいいでしょう。
また、個別メレー攻撃とは関係なくとも、低レベル時には先攻戦術がシンプルに強いと思われるため、先攻を取りやすくなる前衛型モンスターも含めています。
サモナー。
ルールブックなら、ウルヴァリン、ウルフ。
『サザンの闘技場』なら、パンチパンチ、シルバー・ファルコン。
『スカーレット・オーバード1』なら、ドラゴン・パピー。
マリオネイターの場合は、シャドウ・ストーカー。
◇ウッド・ゴーレムで安定??
最初期についてだけ言うなら、メレー攻撃もガード攻撃も絶対に失敗しないマリオネイターの「ウッド・ゴーレム」が安定します。
初期の1戦闘なら耐え切るだけの安定性もありますし――GMがピンポイントで火属性呪文を使うウィザードを敵に出してこない限りは(笑)。
問題は、たいていのPCはキャラ作成時は貧乏なので、HPを回復するための「メンテナンス」すらなかなか買い揃えられないところでしょうか(苦笑)。
しかし、マリオネイターのゴーレムは完全に壊れても買い替えがしやすい上、召喚モンスターと違って死亡したり除外状態になってもPCやプレイヤーの心理的ダメージが少なくてすむという利点があります(笑)。
※初期装備パックの補足?
マリオネイターは、「メンテナンス」のマテリアル(CS:p33)を忘れずに3〜5個くらいは購入しておきましょう。
といった辺りで、今回はここまでにいたします。
次回は後衛と中衛について、パーティ編成を考えて行きたいと思います。

